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  • 執筆者の写真fixers-inc

メールから判断する"リスク対応能力"

更新日:2023年11月3日


危機管理 広報 クライシスマネジメント

最近あちこちで


「危機管理対応やリスクマネジメントの責任者を任命したいが、どんな能力や資質が必要ですか?」

と聞かれます。必ずと言っていいほど聞かれます。


ズバリお答えすると、

  • 「相手の反応と気持ちを読める人」

  • 「自己がどう思われるのかを客観的に評価できる能力」

  • 「何の為にそれを行うかを常に意識し続ける資質」

です。


言い換えるならば「共感性」「先見性」「洞察力」「主体性」となりますが、少し抽象的かもしれないので、日常業務のあるあるで具体的に表現してみます。


  • 「自分が何を言いたいかの前に、相手がどう思っているか、空気感を先に読もうとする気遣いタイプ」

  • 「能力は充分なのに、何故か自己評価がそれほど高くない方」

  • 「単なる作業やプロセスに満足せず、むしろ結果を知りたい、コミットしたいと強く願う好奇心」


ということでしょうか。


これでも今一つ分りにくいですか???


結局、幾らかみ砕いてご説明しても、なかなか実際にはピント来ない。また、その能力や資質を当該人物がお持ちかどうか、結局どう見極めるのかという次の壁にぶち当たるわけです。


平時にその資質を感じても、有事にその能力が発揮できない方も多く、またその逆もしかりで、普段はなかなか実力を発揮できてない方が突然会社を救うヒーローとして覚醒する事もあります!


 

危機管理 広報 クライシスマネジメント

それでは、どう判断すればよいのか?


向くタイプは、なかなか判定困難ですが、絶対に向かないタイプだけは、その方の対応するメール文からはっきりと見極めることができます。


これなら分かりやすく明快でお役に立てるのではないかと思います!



以下、私が実際に受け取ったメールのケースを例にあげてみましょう


CASE 1


「大変申し訳ありません。昨日、送信したつもりでおりましたが、下書き保存のまま未送信となっておりました。」


最近、期限が過ぎても約束の連絡が来ない相手に督促メールを送ると、このようなお詫びメールを送ってくださる方が増えたような気がします。


送るつもりはあった、と。


その証拠に、下書きまではちゃんと作っていたのに、何故か未送信となっていただけなんだという主旨ですね、きっと。。


その言い訳、必要ですか?!


CASE 2


「緊急役員会の開催日時は来月の第1週という事だけは間違いないので、ひとまずはその週の午前中を全て空けておいていただきたく急ぎ連絡しました。今月末までには日時確定してお知らせしますのでよろしくお願いします。」


つまり、最悪の場合二日前までその翌週の午前中を全て空けておけという意味ですね。。承知いたしました。でも、そんな事してたら当社潰れちゃいます(笑)



CASE3


「何も発生していない為、これまでお送りしておりませんでした。何かご報告する事があり次第、すぐにメールしますのでどうぞご安心ください」


一同固唾をのんで見守るような重篤なクライシス案件で、現場からの報告が幾ら待っても来ないので、被害拡大の有無の報告に関する督促メールを送った際の返信メールです。


いやいや、それでは困ります。ずーっとその方からの不幸のメール到着に、社長含む全関係者が日夜おびえて暮らすのは心臓に悪いので、「あってもなくても定時報告をお願いします。」と返信します(笑)


ちなみに、とてもまじめな方なので、この後はしっかり毎日夕方近辺に報告メールが届くようになりました。


良かった!ありがとうございます!と喜んだのもつかの間、残念ながらその後毎日届くメールは以下のような感じとなりました。


「ご報告が遅くなり申し訳ございません。新たな発生はございませんでした。(本日17:00時点確認情報)お手数をお掛けいたしますが、ご確認の程お願いいたします」※19:00送信


全員がその空白の2時間に思いを巡らせたのは言うまでもありません。。


お分かりになりますでしょうか?如何に空気が読めていないか(笑)


先にこの方をフォローさせていただきますが、悪気は無いんです。きっと、幾度となく丁寧に確認してからこの短いメールを送るために2時間を要してしまった、何らかの事情や用事があったに違いありません!


普段からお忙しくされている中での追加業務なので、仕方ないですね。。。


しかし、その2時間の間に何か発生していたら、それを知るのはおよそ26時間後か?と即時思われた方は、リスク対応向いてます(笑)


 

危機管理 広報 クライシスマネジメント

本当に驚くくらいどのケースもメールのタイプと問題点が似通ってます。


誤解の無いようにお伝えしておくと、この手のメールを送るタイプの方を、決して能力が低いとか、資質が劣ると非難している訳ではありません。単にリスク対応に向いてないだけなんです。



こういった方は、他の分野や領域で立派な活躍と成果をあげておられます。しかしながら、彼らに共通することがあるとするならば、


  1. 単に相手がどう思うか、何を求めているかにあまり興味が無い

  2. その共感性が自己承認欲求の方に、より強く傾いている傾向があることが多く見受けられる

  3. 作業の積み重ねやプロセスの過程追及の方に面白みを感じるあまり、その結果や影響にあまり興味を抱くことがない。命じられた作業のみが仕事と割り切れる


むしろ、こうしたタイプの方は、優秀なアーテイストや研究者、エンジニア、アントレプレナーの方に多い気もしなくもないですね。


少し自信過剰気味でKYですが、同調圧力に負けないしっかりとしたアイデンティティーを確立し、理論的に自己実現を達成できる稀有な人材といっても過言ではありません。


最後に一つ私から問題をお出ししておきますのでご自身で考えてみてください!


本ケースは、先月ある大手食品メーカーから届いた"値上げのお詫びメール"です。


「お客様もお聞きおよびのことと存じますが、物価が日々高騰しております。 特に主力商品の原材料仕入価格も、過去に例を見ない水準で日々高騰しております。当社としましても、これまで低価格帯商品の導入、コスト削減等に努めて参りましたが、美味しく安全な商品を引き続き提供するためには止むを得ず値上げをさせて頂きます。何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。」


これを読んで、どこが駄目か一目瞭然の皆さん!


あなたはリスク対応に向くタイプです!


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